屋久島生活の断片・日誌編
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No.53 雨と川のこと  (H13.05.21)

TVで洪水警報がでる大雨が最近何回かあった。屋久島で洪水を見たことはないが、川を見ていると屋久島ですぐ洪水警報がでるのが実感としてよくわかる。岩だらけの川がすぐ激流に変化する。

平時

 左 鈴川橋下流
  (流れているように見えない)
 右 鈴川橋上流
 
増水時(雨が降った後)

 左 鈴川橋下流
 右 鈴川橋上流

屋久島は岩の塊の上に薄い地層がのっている。だから地層の保水能力がない。雨が降るとそれが染み込まず川に流れ込む。また屋久島は平地が少なく川は傾斜を下る。だから一旦雨が降ると集まった水が一挙に川を流れてくる。雨の量がそんなでもないと思っても川の様子の変化は大きい。

屋久島は林芙美子の小説にあるひと月に35日雨が降るという喩えのように雨が降るということになっている。私の住んでいるところではそんなに頻繁に雨は降らない。年に何千ミリも降るが降る時は集中して降るということだと思う。多分山の中では海からの水分を含んだ上昇気流が雨雲となってしょっちゅう雨や霧があると思われるが人の住む海岸付近はそんなことはない。

そういうわけで雨が多いと言われる屋久島でも渇水になることがある。雨が降ってもすぐ水は海に流れていってしまう。地層の保水量は少ない。人の住む海岸近くの山に雨が降らない日が続けば水道水源が渇水しかかる。引っ越してきてからある集落で節水を呼びかける放送の声を聞いた時は耳を疑ったが、いまでは屋久島の地形地層の特徴によるものと理解した。幸いわが集落では渇水騒ぎは経験していない。


 
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