No.43 ある本のこと (H13.03.05)
屋久島へ来る前に屋久島の実生活環境が知りたくて八重洲ブックセンターに行ったとき、植物の本や観光案内やちょっと専門的な本のそばに見つけたのが「なぜか屋久島 サバイバル縄文絵日記 絵と文おさないひろこ (風媒社刊)」だった。ぱらぱらめくってみたら漫画みたいだったが、感じたことを率直に書いているように思えたので購入した。屋久島にヨイショする感動記事ではこれから生活する参考にならない。この本は私が見つけることが出来た屋久島へ移ってからの生活環境を想像させる唯一の本だった。
その本に家を建てようとしている土地に、突然農道を通すので承諾しろと迫られる話が出てくる。本では飛び地の一部を削るだけで決着がついたように書いてあるが、あとのページでまだ何人かの地元民が諦めていないと聞かされて憤慨したことも書いてある。
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本の表紙 |
件の家とその周辺 |
私は土地を入手したいきさつは知らない。大阪にすんでいてポッと屋久島に来たのだからそれから購入したのだと想像する。もしそうなら農道を通す計画はすでに決まっていたと承諾を求められたのならその土地の売主はそれを知っていて黙って売ったということになる。本を読んでいてそこのところが引っかかった。
聞いた相手が適当でなかったかもしれないが、越してきてからあの本を読んだ、実際はどうかと地元の人に聞いてもあいまいな答えしか得られなかった。その話はあまり歓迎されないようである。そこはどこにあるのか聞いてもあっちの上の方というような感じで今まではっきり知らなかった。
本は家が完成する前で終わっているがそこに家は建ったらしい。最近移住して来た若い人からその家はあそこだと教えてもらった。そして散歩がてら見に行った。周囲は草だらけ、夢の跡という感じだった。件の農道はできていないようだった。いまその家は人に貸しているらしい。本の作者家族は別の町に住んでいる。土地問題のごたごたの際一途な主張をしたようにも本からは読み取れるから地元との間にしこりがあってのことかもしれない。
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