屋久島生活の断片・日誌編
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 No.28 国民宿舎 ・温泉ホテルのこと (H12.11.12)

屋久町尾之間の岬の先端に国民宿舎屋久島温泉ホテルがある。温泉は海の眺めがよい。そばの他の大きなホテルは泊り客でも1000円以上取られるらしいがここは泊り客はただ、外から来れば200円で安い。だから地元ではお風呂代わりに利用する人もいる。私がこちらへ引っ越して来たとき荷物が届くまでこのホテルに1週間くらいお世話になった。地元のおばさん達が働いていて90歳近くの私の父が粗相したりして大層お世話になった。しかしホテルとしてみるとやや寂れた感がないでもない。経営は町がからんだ公社がやっている。噂では建て替えの話があるらしい。

西方より見る温泉ホテル 温泉ホテル玄関側

町の広報を見てみるとホテルの収支(平成10年度)はクロである。しかし私の泊まった感じではホテルの内部はよごれが目立つ。部屋の機器などもがたがきている。部屋に入るとかびか汗が乾いてにおっているのかと思われる臭いがする。浴室は使えない。サッシもがたがきてテープで止めてある。これでクロである合点がいく。メンテナンスが殆どやられていないということである。これは数年前のことである。そういう状態だったということは当時からもう建て替えを視野に入れた運営をしていたのかなと思う。

建て替えの財源や町の借金のことを気にしないで言わせてもらう。屋久島へ来て感じるのは日中気軽に食事をする場所が少ないことである。観光に来て自分で日中食事をする処や草臥れたときに休める店を探すのに苦労したことがある。また雨にたたられるとどう時間を過ごして良いか困るときがある。住んでみてはこの日中の日差しの強さに外で体を動かす気にならない。終日営業のレストランやトレーニングルームつき屋内プールとか温泉があるとよい。新しい施設では利便性と娯楽性を売り物にして観光客と地元住民双方を相手にしてくれると助かる。

そばの大きなホテルは施設利用料を高くして地元民の利用を実質的に制限しているという話を聞く。また交通機関もその企業グループでほぼ押さえているから自分のグループ内で客を囲い込む商売ができる。しかしオフシーズンのホテルのイベントや県道沿いでやっているレストランの動きを見ればすでに地元住民やホテル宿泊以外の観光客にも食指を動かしていることがわかる。温泉ホテルの建て替え計画の内容や営業形態などもう決まっていて時すでに遅しかも知れないが、公営の新しい施設では民宿利用者や地元住民にも役に立つコミュニティ機能を持つような設計や運営をして欲しいと思う。

 

補足1: 建設反対ビラのこと (H13.02.24)

今日全国旅館環境衛生同業組合連合会屋久島支部の名による旅館組合の建設反対ビラが配られた。

それによると民間と競合する公的宿泊施設の新設・増改築は昨年閣議で禁止の決定がされているので建て替えはその趣旨に反するとのことである。また経営計画や運営委託企業との契約も非現実的、非常識であるというような内容の指摘をしている。

私は以前建て替えの話しを小耳に挟んでから町報などで情報開示があると思っていたが一向に無いようで町の方針など今のところ知らない。また今回のビラにある全国旅館環境衛生同業組合連合会屋久島支部の旅館組合に今ある島外資本の大きなホテルも加盟しているのかも知らない。だから私としては自分の意見は決めかねる。

私は町民生活と民宿の営業を補完するものなら良いと思っているが、今まで一向に情報開示がなく、島内の民宿や住民の意見が反映されていないで今に至ったのなら問題だと思っている。

補足2: 建設反対HPのこと (H13.04.01)

旅館組合の代表者の建設反対HPを今日見る機会があった。HP記載の町計画では町経営悪化の懸念がある。町経営の悪化は住み心地に影響すると思われるので一移住者としては反対である。旅館組合としては民間圧迫は困るというのが本音だろう。

補足3: 建設計画のこと (H14.11.16)

先日新聞に折り込まれていたビラによると100室規模のホテルを第3セクター方式で建設運営する案が町議会満場一致で通過したらしい。

補足4: JR九州のリゾートホテル計画のこと (H16.11.26)

今日の新聞によれば、JR九州が国民宿舎跡地を無償で借り受け4階建てリゾートホテルを10億円くらいで建設する。温泉も新たに掘る。婚礼の宴会場利用など住民の施設利用にも配慮するということである。開業予定は2005年9月。町としては財政リスクを避けて、住民の雇用確保や利便性確保に徹することにした模様である。

 
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