屋久島生活の断片・日誌編
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No.27 浮きで出てきた足跡のこと (H12.11.05) 

天井の梁やガラス戸サイドの柱部分に足跡が浮き出てきた。妻は幽霊の足跡かと言う。幽霊なら足はないことになっている。これは家を建てているときに土足で踏んだ跡である。

居間天井の梁側面に靴跡がある 居間ガラス戸のサイド柱の高さ
1Mくらいのところに靴跡がある

これらは引っ越して来たときから見えていたわけではない。昨年当たりからだんだん見えるようになってきた。木が乾燥か紫外線などで変色してくるにつれて、土足で踏んだところがまわりと変色の進展度合が異なるため浮き出してきたと考えられる。両者とも内装表面である。置いてあったそういう部材を工事中土足で踏んだということである。

足跡が初めからくっきりとついていたのは浴槽である。ステンレス槽なので砂混じりの泥のついた靴で浴槽に立って作業したためについたものと思われる。これは5年余の間浴槽をブラシで清掃しているうちにだんだん他の擦り傷がついて目立たなくなった。引っ越して来たときに気がついたが直せといえば風呂に当分入れなくなるからその場で言うのを躊躇したまま今に至った。こちらは消えてしまった足跡である。

引っ越してきて1年くらい建ってから目に見えてきた現象がある。家の基礎にひびがはいってきたのである。

基礎にひびが入ったところの例
(家に10箇所ある、
  コーキング材充填した)

縁の平らな部分に乗ってみると心なしか撓む感じがする。表面をたたいてみると他所と違って鈍い音がする。特にコーナー部(家の四隅)が顕著である。縁に沿って砂利を掘ってみるとコンクリの下に隙間があるところがある。地面がしまって基礎が浮く。そして基礎が撓むから基礎にひびがはいったものと思われる。私は急遽砂利を購入し基礎の周りにまきシャベルで当該個所の基礎の下に押しこんだ。効果があったかないかわからないが気休めにはなった。

私が以前住んでいたところで見る基礎は逆さT(ティー)ビーム状である。基礎の下は昔でいうヨイトマケをする。すなわち砂利石をいれ建物が乗っても沈まぬようにつき固める。その上に基礎ビームを作る。湿気のきそうな床下部はコンクリをはる。

当地では私の見るところ敷地に若干の砂利を敷いてならしユンボのキャタピラで固める。その上に角材の枠を置いてコンクリをはる(平坦部のコンクリ厚みは角材断面の一辺ということになる)。基礎ビーム部はそのコンクリ床面上に立ち上げる。ベタ基礎というらしい。こういうやり方だから基礎下の地面は緩い。時間がたつとしまって沈下するところが出てくる。キャタピラは分散荷重だから大きいユンボで地面がしまったと思っても集中荷重のトラックが通ればへこむ程度にしかしまらないためである。

一方屋久島は岩の上に表層土が薄く乗っている。ベタ基礎で上部荷重を分散できる、湿気にも強い。しろありも来難いかもしれない。だから屋久島ではベタ基礎が標準なのかもしれないという見方もできる。我が家は土を盛ったから屋久島標準工法では下地が弱く基礎にひび割れができるのかもしれない。

 
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