屋久島生活の断片・日誌編
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No.22 農家手伝いのこと (H12.10.01)

屋久島で男50を過ぎて(50に特別の意味は無い、自分の身になって見ているという意味合いで言っている)常庸の働く場所を確保するのはなかなか難しい。働き口が見つかったとしてそこに知恵を使わず無闇にエネルギー消費量の多寡に価値を見出しているような若い者がいるとどうしようもない。若者は年をとったことがない。だから年をとった者がどれくらいでへばるか知らない。相談もせず自分のやりたいようにやりはじめる。いくらまじめに働こうと思っても身体を壊したら元も子もない。

ぽんたん館 事務所(入口を入って右)

自分の体力と都合に合わせそれなりに働く楽しみを得たいなら、農家の手伝いがある。屋久島に農業管理センターというのがある。ぽんたん館という町がJAに運営委託している屋久島産品加工販売施設のなかに事務所がある。そこで農家の手伝い依頼の集約と応援者派遣をやっている。そこに登録すればよい。仕事は楽だというわけではない。でも希望の日だけ働けるし人を見て仕事を割り振ってくれることもあるから働きたい者にとっては助かるようである。

農業管理センターは両町とJAが組んでやっているらしい。将来公社になり人手の足りない農家への応援のほか後継者のいない老齢者農家の農地をまとめて面倒を見ることも考えているという話もある。日当は女子5000円とか5500円とか、男子は7000円位とか聞く。男女差があるから簡単な仕事の時は女子のほうが好まれるらしい。また日当のほかに農家でおやつを出してくれるらしい。島外からやってきてこれをアルバイトにしている女の子はおやつで太ってしまったとのことである。

私の見るところ農業管理センターを介して農家の手伝いをする者は若い人からかなりの年の人までいる。こずかい稼ぎの人、生活費の足しにしている人もいるだろうし、多分健康の為身体を動かしたいという人や農作業をやってみたいという人もいると思う。

屋久島生活を楽しみたくて来た島外からの移住者にも結構利用されているようである。私の近所や知人でも何人か登録し仕事をしている。みな生活基盤は確立している。だから楽しみと実益を兼ねてやっているのだとみている。

ところで比較的若くして屋久島に移ってくる人のことである。見るところサラリーマンを屋久島でやろうとして来る人は稀である。だから生活基盤が確立していない人は手伝い仕事をする場合もある。だがそれだけであとは地域の情けにすがって生きようとして来るわけではない。多分屋久島で農業その他なにかをやりながら理想の生活をしようとやって来る。

でも都会で上手くやれない言い訳に理想を言っているだけの男だったら上手く行かない。そんな男の見せかけの意気に感じて女が支えるのは10年もたない。理想だけで行動を起さずぐずぐずしていればそのうち女に切られる。女に切られて男は立ち行かない。いつのまにか去った人もいる。だから確固たる信念と行動力がない若い男は安易に女を誘って田舎暮しをしようとしないほうが良い。男を切っても女は問題ない。田舎は嫁不足で悩んでいる。その気になれば納まる場所がないことはない。

     

補足: ファームステイのこと (H12.10.12)

ニ三日前聞いたことである。農業管理センターで観光客にファームステイで農作業を体験してもらうことも考えているとのことである。女の子だったら独身の男子のいる農家に世話をしてもらうというのはどうか。さらりと親切に応対しているうちひょっとしてロマンスが芽生えるかもしれない。面と向かって嫁に来ないかよりは洗練された嫁対策になりそうな気がする。

 
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