屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.279 平均寿命のこと  (H20.08.11)

2008年7月31日、厚生労働省が日本人の平均寿命が女性85.99歳、男性79.19歳になったと発表したとのことである。私は平均寿命まで約12年ある。インタネットで寿命に関するデータを探していたら平成18年の簡易生命表というのが目に付いた。その各年代の数値が過去や未来の自分の年代の数値ではないが、自分の過去や未来の自分の年代の数値と見做して自分の寿命を考えてみる。

私と同年生まれの人で今までに死んだ人は16〜17%である。そして今生きている私と同年生まれの人はあと16年で約半分・50%になる。生きていれば約83歳になる。90歳になれる人は約20%である。私の今の年では死亡率は約1%だから死ぬという現実感が希薄だが、年を追うごとに死亡率が増大していくから16年後に生きている確率は50%くらいということである。運がよければ私が生きているかもしれないのでとりあえずあと16年生きるとする。

16年と言えば長いようだが私が屋久島に移住してきて今14年目である。まだ16年あると平然と生きていたいのだが、ここで過ごした14年は短くあっという間に過ぎてしまった感がある。だからこれからの16年も速く過ぎて行くと思われる。今までの感覚で時間が過ぎていくあっという間に死ぬときが来るのだと愕然とした気持ちになる。あと何年が感覚的にとても短いから若いときのように死を特別意識せずに日々を過ごすことができない。

ちょっとどこかが痛ければこれがなにか悪い病気が原因でそのうち死ぬのではないかと心配になる。熱が下がらない、胸の当たりが痛い、体重の減りが大きいその他いろいろな体の変調にびくびくするのである。就寝して寝付けずあるいは途中で眼が覚めて眠れなかったりすると死ぬときはどうなるのだろうと考えたりして恐くなりますます眠れなくなることもある。

あと16年の短さを知った私にはその時期があと何ヶ月というようなすぐ手が届く感じではないが、あと数年に近い感じである。そして多分本当にあと数年と宣告されるまで毎年あと数年という思いを更新していくのだと思う。外見なんとなくのんびりと静かに暮らしているのだが心中はそんなに穏やかではない。わずらわしいことにかかわりたくない、面倒くさいことはしたくない、我慢して言うことも言わないでいるのも嫌だ、勝手気ままにやりたいようにして暮らしたいと悩ましさから逃避したい気持ちが先行するばかりである。確率100%でやって来るとは知りながらなかなか平然とした生き方は難しい。


 
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