屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.232 屋久島(128):原野ということ  H18.12.04)

我が家は地目が原野である。家の建物が立っている分だけは宅地と見做されているようで、固定資産税はその分は宅地並み課税となっている。街中はどうなっているか知らないが、かつては畑か雑木林のような土地にぽつんぽつんと家が建っているところは周辺一帯原野ということではないかと思われる。

我が家の土地はそういう原野のある場所を区画割りして売り出したのを購入したものだが、引っ越してきた当時は敷地以外の周辺の土地は草ぼうぼうか雑木に覆われ、道も轍以外雑草が生えているという感じだった。当時私はこれが原野という土地を買ったということなのかという感想を持った。

その後だんだん移住して来る人も増え、当時の我が家のようなぽつんと一軒家というようなところは周辺で少なくなった。数多い区画の土地が開発され売り出されて大体は売れて家が建つからだが、買った人がみんな家を建てるとは限らない。時間が経てば家の建たない土地は草ぼうぼう、雑木も生えたりして開発前の原野という名にふさわしい様相になってくる。

そういうところに住んでいると、自分の庭はきれいにしていてもススキその他の雑草の種やクサギ、アカメガシワ、ハゼなどの種が飛んできて芽を出す。木の芽はそんなに多くは出ないが、雑草は放っておくと 敷地一面雑草だらけということになりかねない。だから都会から来た人の中には、近くの空き地に草が生えると種が飛んでくると気になる人もいるようである。

ちょっと見かけたある空き地は、買ったものの好みの家を建てるには不向きだったのか、所有者は他所にまた土地を買ってそちらに家を建てている。その所有者がたまたま空き地近くの人が雑草の種が飛んできて困ると言っているのを聞いて気にしたらしく、年に何回も草払いする。最近は便利屋さんに作業を依頼しているようである。私はみんな周囲は原野ということを承知で買ったはずだから気にすることはないと言ったことがあるが、まだその状況は続いている。

原野の土地を買ったらしょっちゅう草払いをしなければいけないということになったら大変である。原野の中に一軒家が建ったらその周辺の土地の所有者がしょっちゅう草払いをしなければならない、不在地主でもそれをしなければならないということは無理な話である。原野を買って家を建てたらその周りの土地は草ぼうぼうでも当たり前というふうに思わないといけないと思われる。

我が家について言えば、土地の周辺の一辺は隣の別荘の土地である。一辺は不在地主の空き地である。他の二辺は道である。別荘は最近ほとんど利用されていない。年一回業者が草払いするが、すぐ草が伸びてしまう。むさくるしくなったら私は境界付近だけ他人の土地だが草払いしている。空き地の方も雑草と雑木が茂って迫ってくるので年一度境界付近を私が雑木の整理や草払いをしている。

原野だから所有者は草や雑木生え放題にしてもよろしいということだとすれば、原野で誰も手入れしないところは少しくらい手を出してもよいだろうと思ってそうしている。近所 では自分で出来ないほどなので業者を頼んで隣の空き地の雑木の整理や草払いをしている家もある。

我が家から農道に出る道沿いについては、年一回の町の恒例行事の草払いの時期、道に接する空き地を管理する業者が草払いしてくれる。しかしすぐ雑草が生え木が伸びてくる。その道を通路とする家は何軒かあるのだが、道沿いの木を整理したり草を刈りはじめるのはほとんど私である。ほとんどの人は車で通るので鈍感なのだが、私と妻は散歩で歩くからはみ出した草や木が気になってしようがないのである。敷地が道に接している家の 木の枝などを勝手に切るときは気にしいしいやっている。


 
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