屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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 No.217 プール事故のこと  H18.08.07)

埼玉でのプール事故の報道に、吸い込み口には気をつけろと文科省から各自治体にお触れが回っていたというはなしがあった。学校など子どもが利用する施設が対象のようだが、設備として危険性があるという認識は公然だったようである。飛び込みで底に頭を打つとか、走って転倒し怪我をするとか、長時間入りっぱなしで体調不良になるとか、そういう危険については利用者の行動に起因するものだから本来自己責任みたいなものだが、施設として監視し注意を促すことでそういう事故の防止を図っているということは分かる。

しかし吸水口については、子どもが遊ぶ設備の遊びまわるところに危険部位を設置したままで、遊びまわる子どもに近づくなと注意したり、危険注意の看板を立てるというのは、ただ施設側が事故発生時の責任回避を図るためのものにみえてしようがない。

勿論、設備に対する二重の対策も推奨されている。吸水口格子の確実固定のみでなくその内部の吸水管口にも格子を付けて吸い込みを防止するというものである。だが、今回の事故では死因が脳幹挫傷ということで、ぶつかった衝撃で即死したと言われている。内部の吸水管口にも格子があっても衝突の衝撃で死亡した可能性は否定できないと思われる。

そもそも遊びまわるところに人が吸引される水流があるような設備の設計が問題である。吸水口の格子は本来それを越えて侵入すれば危険という安全範囲に設置されるべきものでなければならないのではないか。吸い込まれるのを阻止するための格子が遊びまわるところにあるのがおかしい。

流れるプールでなくても、かつて底の濾過用吸水口でも髪の毛が吸引されて逃げられなくなる重大事故があった記憶がある。私が見たあるホテルのプールでは中央の底に小さい穴がたくさん開いたステンレスらしき1m弱四方の濾過用吸水口があった。外から見ていてもその上部水面が吸い込まれているのが分かるくらいだった。深さ1.5mくらいでは吸い込みの流速を人が感じてしまうようである。底の格子に人がへばりつくように近づけば抵抗できず吸引されるかもしれないと気になったものである。

流れるプールでは、流れを作るためにかなりの水量を循環させていると思われるので管径は太くしてあるとしても流速は普通のプールの吸水口より大きいだろうから、危険性は普通のプールより高いと思われる。吸水口の間口を大きくして格子部分ではほとんど吸入圧力を感じないくらいその内部に空間を広く取り、その奥に循環ポンプ用の吸入管が付いている構造にしないと今後同じような事故がまた起こるのではないかという気がする。ついでに吸入管手前の空間には点検用の蓋あるいは出入り口を設ければ、吸水口の格子は固定型に出来るからさらに安全になる。


 
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