屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.179 曲がった首のこと H17.06.06)

私の首は曲がっている。中学生のとき首を空手チョップみたいにして後ろから殴られた、その後遺症である。私が中学生のころは映画鑑賞というのがあった。学年全部が隣の駅まで電車で行って映画を見るのである。

電車を降りて映画館への路地を歩いていたら、突然首の後ろにガーンと衝撃があって目がくらむ痛さのあまりうずくまってしまった。しばらくしてから見上げたらロボットかと思えるような無機質な感じの目をしてS山という同級生が見下ろしている。痛いなと言ったら瞬間憎憎しげな顔になってそのまま行ってしまった。当時は病院へ行くのはよっぽどのときだから我慢して過ごした。その後かなりの期間首が痛かったがそのうち気にならなくなってそのままである。

なんで突然暴力的な攻撃を食らったのか、すぐそのときは思いをめぐらす余裕も無かったが、その後その同級生の振る舞いに気をつけていると私に敵愾心を持っているようである。その同級生は成績が上位で当時の学区最上位の進学校を狙っていた。私も成績はよい方で彼より下回ったことはほとんどない。それが原因のようである。競争相手をつぶそうと思ってのことのようである。彼も私も目標の同じ高校に受かったのだが、同じ中学出身でもまったく話もなにもした記憶がない。

人を凌ごうとするやり方は、人により状況によりさまざまあると思われるが、彼のやり方は人の力を殺いで自分が優位に立つというやり方である。それも身体的危害を加えてその能力を発揮できないようにするというものである。

先日長崎の小学校での同級生殺人事件から1周年というニュースを見て私は昔のことを思い出してしまった。少女が同級生少女を殺す、それと同級生が自分に暴行をする、程度や結果は異なるが本質は似ている気がする。私に暴行をした同級生、同級生少女を殺した少女は同じような衝動を感じてそのときその挙に出たのではないかと思えたのである。

進学したり社会に出てから、証明写真を撮ったりするときなどによく首が傾いている、真っ直ぐにせよと言われることが多かった。言われたとおりに正すと自分では首を傾けている感じがする。しかし生活に何の支障も無いのでたいして気にせずその後数十年を過ごしてきた。

50肩というのが気になるころ、私は左の肩や腕に痛みやしびれを感じるようになった。耐え切れず病院に行ったらレントゲンを撮られ、頚椎がずれていると言われた。首を吊り伸ばすとか低周波とか温めるとかの治療をしたが効果はない。半年くらいで直らぬまま通院をやめてしまった。しかし長年の間に自然に治まって来たのか、今は時々症状が出るくらいになっている。


 
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