屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.177 あいるけ」のこと H17.05.23)

普段なら新聞の連載小説に興味は持たないのだが、今年の一月のある日たまたまぱっと目に飛び込んだ文章がそそる内容でそれにつられて読んでしまった。後日知ったことだが、題名を「あいるけ」とか略して呼んでビジネスマンに結構評判らしい。私も目に入った文章に惹きつけられてかなりの日数続けて読んでしまった。なんで続けて読んだかと言えば、やる場面に興味があるからである。

密会して夜から朝までの間どうやるか。まず一回目の夜の部は事細かにやるやり方を描く。どこを触って次はどこをとか、どっちからとか どういう風に動かすかとか。女の反応込みでこと細かに描写する。そして朝目覚めてから、また二回目をする。これは女が目覚めていないときに触り始めて、目覚めてからその気にさせて、またどっちからとかどういう風に姿勢を変えてとかあるが、簡単な描写で終わる。まあ8時間以内に2回はやるわけである。密会で10日おきとか一月おきくらいにやる。あるいは1週間ごとくらいに短時間、顔を合わせたらすぐやっては別れるだけの密会をする。EDなどで40歳以上の男の何10%もが悩んでいると薬の広告などにある時代に、その50いくつの男が元気にやるのである。

ところで、この男は人の女房を寝取るのを楽しんでいる。そういう表現も出てくる。そして会ったらどういう風にやるかをいつも考えているらしい。私はそれを作者もそうではないかと考えながら読む。その男のこういうふうにやりたいと考えていること、やり方などは作者が実際にやってみて確かめているに違いない。作者が結婚しているならば奥さんとやってみては書いているのかもしれない。あるいはまた人の女房を寝取って試したことを書いているかもしれない。友人の妻を見て、いい女だ、やりたいな、どういう風にたらしこもうかと考えているかもしれない。妻ぐるみでその作者と付き合う友人はご用心などと考えるのである。

私がこういう小説を見て読むのは助平な描写、特にやるところである。ただ単にやりましたでは読む気がしない。やっぱりどういう手順でどうやったらどういう反応があって、その次はこうしてとか、それを逐一描写しているところを読むのである。そういう場面が何回かおきに、出てくればそれでよいのである。筋書きなどは関係ない。興味はないのである。そういう場面を探して無さそうなら読み飛ばすのである。

ビジネスマンも多分そうではないか。土日にはやる場面は書かないでと思っている人も多いとかいう話もある。奥さんのいるところで読むには気が引けるということらしいが、こういう話が出ること自体、やる場面に惹かれて読んでいるのが実態だということの証拠のように思える。

そんなに質面倒くさくないにもかかわらず、日本のビジネスマンも多分その筋立ては頭に残らない、興味はないのではないかと思われる。やる部分とかそこに至る準備部分とか終わった後処理部分とかを除いたら、何の興味も湧かないただの粗筋書き程度に思って見ているのではないかという気がしてならない。


 
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