屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.168 孤独に弱くなること H17.02.21)

今まで来るものといえば、転籍になって定年退職扱いでやめた会社の企業年金組織が定期的に送ってくる年金とOB活動の情報冊子くらいだったが、昨年後半からいくつもの集まりからの誘いや情報が入って来ることが多くなった。

60歳で定年、その後嘱託などで働いていたものがここに来て完全リタイヤした。それで段々人との交わりも減ってくる。話の通じる仲間との関係をつなぐものとして、学校や会社OB関連に目が向いてそれらの動きが活発になってきたのかもしれない。そういうことを感じさせる便りのことである。

私が転籍後1年で辞めた会社を定年退職した私より7〜8歳年上の人から、OB会が今まで非公式だったが今年から正式に会社のOB会になる、新年早々集まりがあると喜んでいるような便りがあった。

その人はいくつかの会社を転々として最後その会社に数年いて定年となった人である。自分の実力を頼りに会社を移ってはやりたいようにやってきた人に見えて、その会社でも独特のパーソナリティを発揮していたものである。

退職してからも世の中と交わる活動をしているということを聞いていたので、辞めた会社のことなど関係なく活発にやっているのかと思っていたのだが、OBとして認められているのはそこだけだと思われるその会社のOB会に出ることを喜んでいる。

言いたいことを言い、やりたい放題していたのは自分に自信があってのこと。社外にインフォーマルな仲間もたくさんいると言っていたから退職後もそういう交流の場で情報をリサーチしながら活発に活動している。辞めた会社に未練は無いはずと思っていたのだが、OB会正式組織に執着がありそうである。そこで私は思ったのである。やはり上司、同僚と部下という関係を引きずった、話の通じる仲間が欲しいのだなという気がしたのである。

人のことをものともせず、切れ味よく言いたいことを言い、やりたいように動いていたあの人が、辞めた会社の仲間と正式に群れたいとは、いままでの生き方から見るとそぐわない。私は会社時代その人の信念を持ってやっている(と思われた)姿に畏敬の念を持っていたのだが、それは単に偉ぶっていただけで孤独に耐える覚悟あってのことではなかったように見えてきたのである。

仕事を辞めれば大方の人は社会的には自分の影響力は小さくなる。今までは聞いてもらえた話も立場が弱まれば聞いてもらえない。強く見えた人でもいまは孤独に弱そうに見える。ましてや大方のそんなに強くない人は孤独を紛らわすために学校や会社OB関連に目を向けるようになるのかもしれないと、この人の便りを見て思ったのである。


 
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