屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.162 幸せになりたいのこと H16.11.22)

たまたま「グッドラック」(ポプラ社刊)という本を読んだ直後のことである。TVを見ていたら「幸せになりたいけど、がんばりたくない。幸せになりたいけど、楽に行こうぜ。」というグロンサンのCMが流れた。

「グッドラック」という本は、幸運はタナボタで得られるものではない。目標に向かって障害を一つ一つクリアして行く努力の結果、目標達成という幸運が得られる。幸運を得るには、自分でその道筋を開く努力を積み重ねよ。ということを説いている本である。

言っていることは当たり前のことのようである。むかしからいろんな人が、そう言っている。その本のしおりみたいな紙にも有名な人が言った言葉が並べられている。それなのに、こういう本が出てベストセラーになるということは、分かっているけどタナボタ狙いの運を頼りに不運をかこっている人が世の中には多いということである。寓話で諭されると自分でも簡単にそういう状況から脱却出来そうと思うらしい。

ある童謡では、ウサギが跳んで出て木の根っこにころり転げてしめしめという人間を皮肉っているようだが、実はこういう人間を笑うその人も省みればやはり運を頼りに寝て待つ人と変わりない。お前だってそうではないのか。そうなってはダメだと教えているとすれば、「グッドラック」という本のようなものである。こういう類の教えは古来から言うに易く行うに難しいことだったから、何回も目先を変えて世の中で言われてきているものだと思われる。

私は、努力をしなければ幸運はつかめない。これは分かっているつもりである。そういうことを言っている本を読んでもあまり面白くない。がんばらないで幸運を得ることができると言う教えなら面白い。人はみな、がんばらなければ幸運はなかなかつかめないとなんとなく分かってはいる。でも、「幸せになりたいけど、がんばりたくない。幸せになりたいけど、楽に行きたい。」のである。そこそこの努力で幸せをつかみたいのである。「グッドラック」を読んだ人は、その願いを裏切られたと思われるが、うまくそこそこに努力するやり方を知りたくて読みやすく仕立てたこの本を買ったのではなかろうか。


 
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