屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.157 誤認事件のこと H16.09.27)

長野で老人が殺され、警察が被害者の娘家族に疑いをかけ自首しろと圧力をかけたり嘘発見器にかけたりした事件が報道されている。そのあと他にも老人殺人事件が連続発生してその容疑者がこの被害者も含め殺したことを自供したことからその家族の容疑が晴れた。

長野での警察の思い込みによる犯人追及事件と聞けば松本サリン事件の河野さんの誤認逮捕事件がすぐ思い浮かぶ。警察はむかしから、状況から推量してこいつが犯人と思い込こんだら圧力をかけて自白に追い込む。その手法で多分多くの実績を上げて来たに違いない。大体はそれでうまく事件解決をしてきたのだろうが、ときにその思惑が外れる事態が発生したのが、長野では河野さんの事件であり、今回の自首圧力事件であるのだと思われる。

これらの事件はたまに思い込みをして誤認した事件だと警察は言うかもしれない。しかし私の感じでは、いろいろな証拠証言を集め仮説を立てるのだが、その仮説を検証できる裏付けが得られないとき他の可能性を考えるより、その時点で最もあやしげな人間に自白を迫るのが警察の手慣れた手法で、たまにそれが裏目に出ただけのように見えなくもない。別件逮捕という言葉がことあるごとに報じられることからして、そういう手法が常態として行われていることを想像させる。

TVドラマでも署まで来てもらって話を聞こうと言えば、本当のことを言うという設定が多い。事情聴取は捜査の手法として基本的かつ重要なもので、当たりを付けて事情を聞き確認しつつ追い詰めていくのも当然必要なことである。しかし人の勘で当たりを付けるだけに今後もこういう誤認事件は起きる可能性があると思われるが、今回の事件に関する報道を見ても警察謝罪のあとは大きな問題に発展しているように見えない。住民の生活安全を保つ活動にはこのくらいのリスクがあるのは当たり前というのが大方の認識ということかもしれない。


 
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