屋久島は水の島だと言われ、TVの紹介番組などでは全て水力発電で賄っているかのようなことが言われているのを見たことがある。しかし、現実は水力発電で足りずディーゼルエンジン発電機で不足分を補っていると聞いたことがある。発電は水力・ディーゼルとも屋久島に工場を持つある会社がやっていて、その工場で消費する残りを島内に供給しているとのことだが、工場の使用量が小さければ全島の需要を水力発電で賄うことが可能ということを誇張して全て水力発電と紹介していたのかもしれない。
多分、全て水力発電でということになれば、水力発電所あるいはダムなどの増設が必要となる。それで需要と費用効果からみて不足分はディーゼルエンジン発電機でということになっているものと思われる。私の知る事業所では、電力大量使用のため公共電力の使用を断られたのか、台風などで停電がつきものなので供給の不安定さを嫌ってか、あるいは公共電気料金が高いのを嫌ってか、100%ディーゼルエンジン発電機による自家発電を行っている。
屋久島に来てから一回だけだがある集落で冬に広報車が取水する川が渇水だからと節水の呼びかけをしていたのを聞いたことがある。雨で有名な屋久島でもその水を活用しての安定した電力供給や水道供給にはまだ課題があるようである。
最近新聞で見たところでは、風力発電は1000kw規模で設置費用1億円くらいらしい。風の強い屋久島だから小さな集落なら1000kw1基で電力を賄えそうな気がする。段階的に増設も出来るので設置費用も一時期に集中しなくてすみそうである。風は不安定で風力発電だけでは安定供給には不安があるというはなしもあるが、既存の水力発電を風力発電で補完すれば、クリーンな屋久島の公共電力事情が実現できるかもしれない。
しかし発電能力は十分でも台風や雷に弱い送電線あるいは施設の改善や電力料金が安くなる体制がなければ、供給の安定性や費用節減を望む自家発電事業所はなくならない。また屋久島にクリーンな車をと宣伝の電気自動車の普及も難しいと思われる。