屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.120 屋久島(70):ウォーキングのこと H15.06.02)

5月のツーデーマーチで知り合いが屋久島に来た。72歳だが3年前に仕事をやめ、海外旅行などで気を紛らしていたが、2年前からウォーキングを始めたそうである。ウォーキング協会の会員になり、各県の支部が企画するウォーキングに参加して、もう行ったことのない県は三つくらいというくらいはまり込んでいるらしい。

10年位前に心臓の手術をしたから、坂は血流不足になり心臓が痛くなるが、それ以外ならなんの苦痛もなく、楽しんで体調もよくなるからウォーキング抜きの生活は考えられない。特にこの季節は全国各所のウォーキングに毎週のように参加するので、空いている週末はない。また催しのない時期にも毎日のように出歩かないと落ち着かないとのことである。

ウォーキングに熱中するようになってから、子供の家に同居していたのをやめて、今では一人暮らしで活動の自由を確保している。ウォーキングにはまり込んで忙しく充実した日を過ごしている。私はそう強調するのを聞いて、それでよいのだと自分に言い聞かせて、寂しさを紛らわしているように見えてしようがなかった。

奥さんを6年前に亡くした。二人の子供は離れていった。同居した子どもの家も留守番ばかりで暇で憂鬱だった。暇な時間を過ごせば人生の残り時間も気になる。言葉の端にウォーキングに熱中するに至った様子がうかがわれる。奥さんが生きていたら違った時の過ごし方をするようになっただろうと思われる。

私は、妻がいればこそかもしれないが、屋久島で忙しさとは無縁に、また人とも積極的に交わりもせず、都会にもよっぽどの用事がなければ行かず、ゆったりと過ごしている。人の評価を気にせず、何かをしなくてはという強迫観念もない。子どもたちは弓をはなれた矢だから思い通りにならなくても寂しさはない。

そう嘯いて、以前医者に言われた「屋久島生活の断片」(No.106)にあるようないわゆる暇な生活をしているのだが、最近ハゼの新芽を切ってかぶれ医院に行ったら、かぶれなのに血圧を測られ血圧が高いと指摘されて注意の一つに汗をかくような運動をしたほうがよいと言われてしまった。犬の散歩の5,000歩くらいでは効果がないようである。

晴れていれば紫外線が強い、雨なら濡れるから屋外の運動はしたくない。そこで大リーガーもするというエアロビクス・ステッパーを買って、遅ればせながら擬似ウォーキングを始めたところである。私は寂しくないし他にやることがあるので、これに熱中することは無いと思うが、ウォーキングまがいに体調改善を期待する気持ちは大きい。


 
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