屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.92 医療保険のこと H14.04.22)

今回2週間余入院したが、これで初めて医療保険の給付請求をすることになった。10年保証の掛け捨て医療保険に入って、一回は10年たって保険期間満了後更新、今は2回目の10年目である。もう保険期間の残りは数ヶ月しかないから20年掛け金をかけて今回1回給付を受けただけという実績になるはずである。

今回の10年間で保険料は突き5,100円ちょっとだから612,000万円支払うことになる。そして今回入院16日で入院給付は1日6,000円だから96,000円、手術給付が6,000円の20倍で120,000円、しめて216,000円になるのではないかと思う。それを貰うのにここの病院では診断書料5,000円かかるから、401,000円は回収できないことになる。家計から見れば保険に入っていなければそれだけ節約できたことになる。

初めの10年間は月3,500円ぐらいの保険料だったから420,000円ぐらい支払った。その10年間は入院することはなかったから、保険に入っていなければこの20年間で821,000円ぐらい節約できたことになる。もうすぐ医療保険が期間満了になる。はたして医療保険に入り続けるのが得策かここのところ考えるようになった。

保険は万一のことを考えて入るものである。生命保険などは家族へ残す月掛け貯蓄のようなもので、子供が独立するまでは必要だったと思っている。幸いにしてそのお世話にならなかったということは喜ぶべきことかもしれない。生命保険は子供が独立してから解約したので今は医療保険しか入っていない。今までは漠然と万一という考え方で医療保険をかけていたのだがその考えはどうも成り立たないようである。

医療保険は健康保険で自己負担した分と差額ベッド代のような個人負担分を補填するぐらいの給付が一般のようである。給付前には手持ちのお金で病院支払いするわけだから保険給付で現金がないときの当座をしのぐという性格のものではない。だとすれば医療保険をかけずその掛け金を貯めておいた方が家計的に見て有利なのではないかと思えてくる。

生命保険が若くして万一の事態になったときにも大金が給付されるのと違い、医療保険は万一べらぼうな医療費を要する病気になっても、一般に安心できる給付は得られない。だから掛け金も生命保険と比べれば安い。医療保険はその掛け金と給付額からみると手数料のべらぼうに高い預金口座に預金しているようなものではないかという感じがしてきているのである。

今回7月には医療保険の更新時期を迎える。そこで医療保険の経済性を考えてみた。

私の経験では、一人が毎回異なる病気で何回も入院を繰り返すことは考えにくい。私の父の場合1年ぐらいの間に同じ病名で断続的に何回も入退院を繰り返し、入院して最期を迎えた。そういう場合は大体の医療保険では実際の入退院の回数に関係なく1回の入院として入院日数は累積される。だから実際入退院を何回しても累積入院日数が一入院保証日数を超えれば超えた期間は保証されない。

入院保証日数1,000日とあっても一入院60日保証という医療保険では、実質60日の効用しかない。毎回違う病気で最低16回入院できるがそれぞれの病気では60日しか保証されない。私の場合で見ても10年で1回16日入院だから、一入院保証日数をフルで消化する人の頻度はかなり低いように思える。人は大体亡くなるまでにいくつの病気を経験し何回入院するのだろうか。インターネットで探してみたが探し方が悪いせいかデータが見つからない。

私の経験では、60歳までの人生で虫垂炎、痔、そして今回の入院の3回である。93歳で亡くなった父の場合は70半ばに1回入院の早期の胃がんがひとつ、そして何回も入退院を繰り返し亡くなることになった肺炎の二つの病気が入院を要するものだった。いずれも健康保険のおかげだと思うが医療保険を掛けていなければ困ったという状況ではなかった。

今回終身医療保険で経済性を考えてみる。資料を取り寄せた入院給付日額5,000円の二つの例を見てみる。ひとつは保証日数730日、一入院120日保証、掛け金月額7,340円である。もうひとつは保証日数1,000日、一入院60日保証、掛け金月額4,410円である。80歳までの20年間で考えてみる。

前者は掛け金総額1,761,600円、フル一入院の給付額600,000円、2回で1,200,000円である。(異なる病気を最低六つしてトータル730日入院すれば3,650,000円給付され掛け金の2倍ぐらいもらえるが父の例から見て2回フル入院くらいが関の山と思われる。)手術給付最高で2回分400,000円足しても1,600,000円で掛け金の回収は出来ない。

後者は掛け金総額1,058,400円、フル一入院の給付額300,000円、2回で600,000円である。(異なる病気を最低17もしてトータル1,000日入院すれば5,000,000円給付され掛け金の5倍ぐらいもらえるが父の例から見て2回フル入院くらいが関の山と思われる。)手術給付最高で2回分400,000円足しても1,000,000円で掛け金の回収は出来ない。

医療保険の更新はやめようかと思っている。健康保険の保険料が少し増えても窓口支払いの個人負担率が増えないほうが私にとっては都合よさそうである。


 
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