屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.84  屋久島(44):葬式のこと H14.01.07)

昨年押し詰まって休みに入ってから一人、今年に入って三が日までに二人と続いて三人私の住む集落の地元の人がなくなった。皆病気療養中の人だったそうである。三人目の人は親しい人だったためかあるいは数日のうちに集落の人三人が亡くなったためか、その人が亡くなったことを連絡する放送で区長は声を詰まらせ途切れ途切れの涙声だった。それが耳に残った。

集落の慣わしで人が亡くなると集落で葬儀の準備などのお手伝いをするようである。通夜は今夜、出棺、告別式はいつ、と連絡があってから、今日朝7時にどこそこに集合、笹の飾りとかわらじ作りとかもろもろの準備をする、集落の良い慣わしであるから皆さん参加してくださいと今回は念の入った連絡だった。

当地では地元の人は、あるいは移住者でもそうする例を見たことがあるが、集落の役員だか長老格だかの人が仕切って集落で助け合って葬式をするというのが慣わしのようである。我が家で父が亡くなったときは、移住して来て付き合いが薄いので気が引けて、連絡放送や慣行に沿うことは遠慮して、基本的には自分たちだけで送ることした。それでも近所で聞きつけた人は来てくれそれなりの形にはなった。

私の見るところ地元の葬式は、集落の人が取り仕切る。葬儀社の人もいる。近くの花屋さんが表立ってそうとは見えなかったが葬儀社も兼ねている。葬儀社が本当はいろいろやっているのかもしれないがよそ目には補助的な役割のように見えた。我が家では一応世間でやられているように葬儀社のみにおまかせした。屋久島にも大きく看板を掲げた葬儀社が一軒ある、そこへ頼んだ。そこも花屋がやっている、あるいは花屋もやっている。最近はだんだん地元のやり方で葬式をする人が減りつつあるのか葬祭場もやるようになったところである。

我が家の葬式はそう頼んだからかもしれないが、今まで経験したのと同じように通夜、告別式、出棺、火葬の手順で葬儀社がやってくれた。しかし集落の放送を聞くと集落での手順は通夜、出棺、告別式という順のようである。多分お墓が集落内にあるので出棺、火葬してお骨になって戻って来てすぐ納骨するのでそのときを告別式というのかもしれない。


 
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