屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
                     Home > 目次_top  >  記事

No.71  屋久島(37): ある店じまいのこと (H13.10.01)

屋久島での感覚ではすぐ近くと言ってよいところについ5月頃オープンしたレストランが8月末には店じまいしてしまった。なんとも早く結果が出るものだと驚いた。

その店の主人はある大きなホテルの料理長だったそうだが、そこを辞めて自分の店を開いたようである。料理の評判は、うまいと言う人もあり、まあまあという人もいれば、和食、洋食、中華なんでもありだが反面これはというものがないとか人それぞれである。値段は屋久島で受け入れられる適当なものだったらしい。

5月頃は開店そうそうで様子見の客もあり結構にぎわっていたようである。パートなのか何人も従業員を雇っていたとのことでそこの近所では家賃と給料を考えると苦しいのではないかと噂しているというのを聞いたことがある。昼も夜も営業していたのだが、そのうち昼の営業を止めてしまった。主人が身体を壊したという話しだったが客の入りも少なくなった為かもしれない。

夏休みに入ってからは忙しくなるだろうと人が言っていたので客でにぎわっているかと思っていたが、8月下旬たまたま店の前を歩いていたら8月27日で店を閉めるとの張り紙が出ていた。人の話しに反してなんとも早い店じまいになったものだと不思議に思っていたが、最近なぜそうなったかと言う噂を聞いた。

奥さんが家族だからと過重な労働を求められ耐えきれず出て行ってしまったということである。奥さんは子供の世話や家の用事も思うようにできず悩んでいたとか草臥れ果てているように見えたとか言う人がいる、また客で行っている時に夫婦仲がおかしいと見えるようなやりとりを見聞きしたと言う人もいる。それを聞いて、奥さんへの思いやりが足りなかったから苦しくても我慢して助けてくれると思っていたただ一人の奥さんから愛想をつかされたのだとは私の妻の感想である。

多分退職金をつぎ込み借金をして、店の改装をし多くの従業員を使って店を始めたが思うようにいかず主人は一人で一所懸命のあまり人の気持ちまで考える余裕がなかったのかも知れない。屋久島での成功を望みながら果せず失意のうちに屋久島を去る、私の知るところではトリガーは奥さんの離反が多いようである。他山の石としなければならない。


 
 Home   back