屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.67  韓国経験のこと (H13.09.03)

歴史教科書問題、靖国参拝問題で韓国との関係がギクシャクしている。韓国人もむかしのいやな記憶がなかなか忘れられないようである。いやな記憶が警戒心を呼び起こす、いたし方ない。妻がむかし子育てに悩み親業訓練を受けたとき、いやなことはずっと憶えている、楽しかったことは記憶に遠ざかると教えられたそうである。子供に限ったことではない、いやな記憶はなかなか忘れないものである。

むかしある会社にいた頃、韓国の企業に技術支援をする仕事をしたことがある。それが私の唯一の韓国経験だが、私もいま韓国というと韓国人が多分日本人に対し思っているように、自分の感覚が通じないあるいはちょっと嫌な感じがするというような経験のほうがつよく頭に残っている。以下そういう感じの韓国経験の話である。

技術援助契約は、項目はこれこれ、どの程度まで、対価はいくらと具体的に決められる。それが決まってから相手企業に顔合わせに行った。自分たちが金を払って技術を買うのだからという思いか、韓国語の怒鳴るような口調になれないせいか、尋問張りになんでもかんでも聞いてくるという感じだった。契約内容などないごときである。答えるべきでないと思うことはうやむやに答えていると同行した上司が、相手はこういうことを聞いているなどと迎合するので参ったことがある。

技術指導をする為に相手企業の技術者を会社に呼んでいっしょに仕事をすることになった。徴兵免除の技術者もいる。彼らを海外に出すのは政府の許可がいる。おまえの方から是非この人に来ていただきたいという招待状をよこせという。自分で頼んだことなのに表向きは頼まれたから行ってやるということにしないと許可がでないらしい。

技術支援をするのだから受ける主体が実体業務をすすめそれをわれわれが支援する。そう考えて相手の技術者を迎えたが、相手は金を払うのだからという思いかすべて丸投げで開発委託をしたかのようである。全部やってもらって自分たちはその作業をチェックする気で来ている。仕事はあなたがたのもの、私たちは支援するのが仕事と納得してもらうのが大変だった。技術は出来あがった物ではない、それを作り上げていくプロセスの中にあるという思いが通じなくて弱った。

が結局は殆ど自分たちがすることになり往生したことがある。相手は上層部を通してこちらの上層部へ話をつけてくる。契約内容などあってなきが如し。一回関係を結んだ女はもう文句は言わないものだ。そう思って振舞う男の如しである。こちらの上層部も実態を理解していない、軽い気持ちで了解するから軒を貸して母屋を取られるごときで自分たちの本業に支障を来たすほどの負担を強いられたことがある。

ある日休日出勤していたときのことである。相手の技術者が休みなのに職場にやってくる。見ていると技術書類、報告書などの入っているキャビネット内を物色している。私は人の会社の財産を勝手にいじってはいけないと注意し、以後勝手に行動するのを禁じたことがある。

今はどうか知らないが、韓国では外国企業に研修などに行ったら手に入れられるだけの資料を入手して帰るのが当たり前みたいらしい。そして入手した資料は会社には提出せず自分の技術的財産として、それをもとに有利な条件で転職することが多々あると相手の技術者の一人が話してくれたことがある。

相手が生産開始してから、改善したいから指導に来てくれないかという話があり訪問した。行ったは良いが相手は改善プログラムをなにも用意していない。全部お任せという気かなと思い私から何も言い出さないことにした。一週間もしたらお帰りになりますかという話になったことがある。

以上は私が体験したこととそれに対し私が感じたことである。韓国語は挨拶のいくつかしかできないから感覚的なものである。メンタリティーギャップを相手も感じ私の行動に違和感を持ったかもしれない。接した技術者は全員日本語ができ優秀な人だった。顔も日本人と変わらない。しかし気持ちは通じなかった感じがする。

以下仕事以外での体験である。あちらに行くとき相手が私たちの会社から購入している部品を急いでいるから持ってきてくれと言う。日本の空港では中味まで開け調べられた。あちらの空港に着いて入国審査の列に並んでいるとXXさんかと声をかけてくる者がいる。そうだと言ったら袖をつかんで引っ張って行かれた。

何事か、怪しい人間に間違えられて警察に連れて行かれるのかと心配になった。横の出口から何の手続きもせず駐車場にそのまま連れて行かれたらそこに相手の会社の迎えの人間がいた。荷物はすでに車のトランクに入っていた。面白い経験だった。

もう一件はホテルでのことである。相手の会社がとってくれたホテルである。そこは観光案内にも出ている。夜10時過ぎTVを見ていると、ノックがある。作業員姿のものがTV、TVと言って部屋の中に入ってくる。TVの具合が悪いから見に来たようだ。言葉が通じない、TV、TVといってTVのスイッチをカチカチいじっているからそうだと解釈して見ていた。そうするうち何でもなかったというように手を振って出て行った。

日本のホテルならフロントから事前に連絡があったりちゃんとした服を着た係りのものが一緒に来て対応する。でも韓国はこんなものか。私が女だったら明日にしてと言って部屋に入れないところだがななどと考えながらその日はあまり不審を持たなかった。

そうしたらまた翌日同じことがあった。今度は作業員姿が二人で来た。なにやらおかしいと警戒しながら見ていたらまたTVをカチカチして帰っていった。その翌朝フロントや相手の会社の迎えに来た人間に言ってみたが帰国するまでうやむやだった。泥棒が当たりをつけに来たのか警察がなにか間違えて探りに来たのかも知れないと思っている。


 
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