屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.66  屋久島(36):職場選挙のこと (H13.08.27)

8月22日のTVで屋久町町長選挙で3票差で落選した候補が鹿児島県の選管に開票見直し請求をしたという報道があった。町の選管に請求したが1ヶ月くらいしてから具体的作業のないまま単に「開票は適正と判断される」という理由を付けて却下されたということからのようである。

私は町の選管のことは知らないから開票作業の正否は言えない。しかし「開票は適正と判断される」と言うだけでなく「開票は適正と判断される理由」を明確にすべき気がしてならない。よく知らないのだが、もし選挙管理委員が現職町長に実質指名委嘱されていればなおそう思う。むかし会社に勤めていた時の職場の選挙で開票後どんなことがあったかを思い出すとそう思うのである。

私がむかし勤めていた会社の労組はいわゆる会社と相互信頼の強いユニオンショップであった。労組の役員の選挙は労組の息のかかった職場役員が推薦する候補者の実質信認投票である。個人で立候補して当選した実績はないから推薦の定数立候補が定着していた。

ある労組役員の選挙の時、たまたま私の所属する職場で誰かが白票ではなく立候補もしていない人間の名をふざけたような表現で書いた票が出たことがある。そんな票があっても選挙結果の大勢には影響ない。だが選挙後選挙管理委員会の意向でおかしなことが行われた。勿論選管は現職役員に実質指名委嘱されている。

私も職場の中堅どころにあったから職場役員をバックアップするという名目でおかしなことに巻きこまれた。ふざけた票を入れた者は労組の踏絵を踏まなかった、反動分子かもしれない、そうはっきり言わなかったが秘密裏にその投票者を割り出す作業に加わったことがある。当時はもう労組のこわさがわかって適当にやっていたが、私も以前は定数書くところ気にくわないやつを書かないで投票したことがある。多分そのときもこういうことが行われたに違いないと思いつつ犯人探しに付き合ったことがある。

犯人探しは仕事上で報告書などをチェックしたりする職場の中堅どころに投票用紙を見せて誰の字か判定させる。労組に忠誠を誓う人間はあれでもないこれでもないと積極的に協力する。わたしは適当だと思われないように適当に協力している素振りをしていた覚えがある。そのときははっきり特定できなかったが職場役員や労組役員はそこで得た感触でなにか対応をとったかもしれない。明確に特定できたなら必ず労組のブラックリストに載るに違いないと恐ろしく思った記憶がある。

私が選管の対応の仕方が気になる理由の一つはこのような経験があるからである。


 
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