屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.58  屋久島(34):地域通貨のこと (H13.07.02)

エコフェスタは皇太子ご夫妻も来られての世界遺産会議があったときそれに因んで開催されたイベントだが、その後その名を冠した運営組織が継続されて対環境活動組織に性格を変えて今も活動をしているようである。

そこの新聞折込ビラのエコフェスタ通信13号というのが地域通貨について記事を載せている。地域通貨についての説明の後 「屋久島でも、この地域通貨を私たちの暮らしの中に取り組めないものでしょうか? 屋久島エコフェスタではこれから研究と勉強会を重ね、できるところから実行していきたいと考えています。」 とある。

私はこれにちょっと引っかかってしまった。地域通貨まずありきのアプローチに違和感を憶えた。まず通貨を作りたいというのがあって、そのために研究と勉強会をして、通貨を流通させることができるところから探してやって行きたいと言っているようである。これは本末転倒である。

エコフェスタだから環境問題を考えているのかも知れない、あるいは福祉問題などに手を広げるのかも知れない。いずれにせよ何らかの課題に対して活動を具体的に展開してみて、その活動の補助手段として通貨的概念が有効適切だと参画者が合意したならそれを採用すればよい。初めに通貨の研究や勉強会をして、こういう通貨がこの活動にむくらしいからとその活動を考えるというのでは活動の必然性がない。権力欲のためにまず通貨を支配というアプローチに見えてしまうのである。地域の課題のことではなく組織の満足がまずあると見えてしまうのである。

エコフェスタは世界遺産会議のイベントだった。その限りのおいては意味があった。だがそういうイベントはそうそうあるものではない。だがその成功体験は地道な活動より通貨発行の一大イベントをやりたいと言っているようである。そんな感じがして引っかかるのである。


 
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