屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.56  屋久島(33):弔事への対応こと (H13.06.18)

一昨年父がなくなった。むかしの会社の経験では所属部署や会社などから会社関係の弔問客の整理や記録をしてくれたりする人を出したりする。しかし移住して来た当地ではそんなに知り合いもいない、また当地の会社も作業員くんだりに人をだすこともないだろうとは思いつつも念の為会社に迷惑はかけたくないから上司に、ご心配は無用、家のものだけでやるからと伝えた。

今までの経験だとご心配無用と言われたら、会社でおもてだったことはしない。しかし通夜などに一人くらいこっそりと会社の弔慰金を持って線香くらいあげにくるものである。ところがそういうことも一切無かった。葬儀が終わって出社し作業していたら総務課の女子が作業場に弔慰金を持ってきて事務的に渡していった。普通はそれなりの人がお悔やみくらい述べながら渡すものである。心をこめたサービスを標榜している会社にしてはやることに心がこもっていない。

そういう会社だからか次のようなこともあった。父のことよりも以前のこと、休みの翌日出社すると当地出身同僚の祖母が亡くなったとかで香典を出す話しがあり、上司が持って行くというのでお金を出した。そして数日後、件の同僚が出社して来た。顔を合わせても一言の挨拶あるでなし。礼儀も何も知らないのか、あるいは上司が金をねこばばしてしまったのかとあまり良い感じではなかった。

私は都会の会社にいた30年くらいの間にかなりの不幸のケースを経験したがこういうのは初体験である。だがこれは屋久島の人の行動様式ではない。多分その会社の風土である。父の葬儀の時地元の人、移住者の人それぞれから丁重なお見舞いの言葉をいただいたからそうに違いないと思っている。


 
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