屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.43  6年ぶり上京のこと (H13.03.19)

屋久島に来てから6年ぶりに一昨年亡くなった父の納骨がてら上京した。妻は毎年二回は行っているのでたいした感慨は無かったようであるが、私はむかし住んでいたあたりを通り過ぎる時は景観の変わりように都会を離れた年月を感じさせられてしまった。しかし人と車が多く緑と静けさのない場所は落ち着かない、屋久島でのゆったりした生活が自分には向いていると再認識する機会にもなった。

上京して友人たちと再会した。妻の父母、兄弟家族の顔を見ることができた。息子とそのお付き合いの相手と会う機会も持てた。娘のマンション引越しの手伝いもした。孫娘の顔を見ることもできた。予定した人たちと会い話をし自分なりに満足した有意義な日々であった。

以下上京時の宿泊と移動手段および住宅に関する感想である。

宿泊は義弟の家、横浜のホテル、東京のホテルだった。ホテルについて言えば私の知っている当地一番の高級リゾートホテルとくらべ、ツインで部屋の広さは三分の二くらいだがルームチャージはやや高い。地代が高いからそうなっているのかもしれないが庭園もなく温泉やプールもなくてそうだから割高である。

横浜のホテルはむかしの家の近くだったから懐かしさで泊まってみたが殺風景で潤いが感じられない、雑誌に料理がうまいとでていたのを見たことがあるのでフルコースを食べてみたがうまくない。地方のホテルの方が同じ値段なら施設や料理に工夫があってよいのではないかというのが印象である。

交通手段は発達しているのは言うまでもないが、羽田から横浜まではリムジンバスがない。椅子の配列が観光バス風の直通バスの切符を買ったが乗る段になったら荷物室を使っていない。通路をふさぐような大きな重いスーツケース二個上げ下ろしに苦労した。むかし成田からの経験ではリムジンバスだったから苦労はなかったが国内線では苦労する。以後大体は息子の車で移動したので助かったがそれでもタクシー代はかなりかかった。

新交通システムにも乗ったがなにしろ運賃が高い。むかし住んでいたときからあったものだが利用してみてその感を新たにした。新しいものをつくって高い金をとるなら既存のものを工夫して安くサービスする方がよい。専用軌道の建設より他の交通手段も利用できる道路を工夫した方が発展性があり変更も容易である。失敗例のように見える。ひところと違い日本で新交通システムの導入の話しを聞かなくなったのはコストに効用が見合わないからだと思われる。

住宅の件である。今回友人と会ったとき、一人が退職したらマンションに引っ越したいと言っていた。植木の世話や屋根の補修などもうおっくうになったからだと言う。私のマンションのイメージはむかしの鉄筋4階建てアパートの寒々しいコンクリの階段通路を思いだしてしまうのだが、今回娘の引っ越したマンションを見ると今時のマンションはコンクリむき出しの灰色の憂鬱な寒々しさはない。美しきアーバンライフといった趣である。そして国道や環状線の近くでも窓を閉めれば屋久島の我が家より静かな感じである。都会の便益を享受したければ老後の住まいにはマンションも一つの選択かもしれない。

以上が感想であるがショッピングについても付け加えてみる。リタイヤ後の田舎暮しにはもうそんなに大物や大量の物はいらない。ちょっと気分を潤す小物が面白い。家に使わない物を住まわせ過ぎるとゆったりとした気分がせず田舎暮らしの楽しみが減る。マンションより狭い我が家に来て広いねと孫娘がびっくりするくらい物はないが買えない負け惜しみを言っているのではない。物持ちを楽しむのは趣味でない。

だからささやかなショッピングである。妻はこちらでは買えない趣味の専門的本である。東京の大きな本屋をはしごして実物を確認して買ってきた。私は目が悪くなったので固定焦点の双眼鏡と電子辞書、その他にPS用ゲームとDVDソフトとCD、いずれもわざわざ実物を確認してというものではなかった。


 
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