屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.32  屋久島(21):酒気帯び運転のこと (H12.12.24)

大分前に聞いた話である。屋久島のある集落の集会にからんだ出来事である。その集会には駐在さんも出席していた。議事も終わり宴になろうとするとき駐在さんは退席し職務に復帰したらしい。残った集落の面々は常のごとく楽しく酒を飲み交わし家路につくこととなった。

近くの人は歩いて集まるがちょっと離れていれば車で来ている。ほろ酔いで運転して帰るところを件の駐在さんに飲酒運転で捕まってしまった。集会があれば飲むのは駐在さんもわかっている。狙ってやったと駐在さんは集落の人たちから総すかんをくい結局は転勤したとの話である。

駐在さんを呼んでおいて解っているのに飲む馬鹿がいるかとか、飲むのがわかっているのに飲んで運転したら捕まえると注意しなかったとか、いろいろ見方はある。しかし狭い地域内で馴れ合いに親しんできた集落人に一石を投じたことに間違いはない。

屋久島の夜は酒で過ごす人が多いようである。人の家を訪ねて飲む。レストランや酒場で飲む。夏季のみ開店のビアガーデンで飲む。いろいろ飲む場所はある。しかし飲みに行くには歩いて行くか車で行くしかない。何キロも歩くわけには行かないから車で行く。送迎のある飲める店は稀である。だから大体自家用車で行く。

そういう訳だから飲めば殆ど飲酒運転ということになる。警察が屋久島中で夜検問すれば連日のごとく多数の飲酒運転者を検挙できるだろう。一月も続ければ飲める店はあがったりになる。それを慮ってかあまり警察が取締りをしているということを聞かない。しかしたまにはやっているようである。知人の町会議員は飲むときには奥さんに送り迎えをしてもらっている。たまの取締りなどで引っかかってしまったら示しがつかないから行動が慎重である。役場の職員も飲んだら運転しないと聞いている。

自家用車が主交通機関の屋久島では家以外で飲むということはほぼ飲酒運転をするということである。客の送迎のある飲める店は極めて少ないからである。だから取り締まりがゆるいのかもしれない。1年くらい前、深夜飲んで車を運転し居眠りをして歩道を乗り越え川に突っ込んだ事故があった。翌朝になって車はあれど人がいない。川に流されたかと大騒ぎになったが本人はちゃっかり家に帰っていた。これは自爆事故だったからか本人発見時は酒がさめていたからか事件にならなかったようである。


 
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