屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.26 しぐさの違和感のこと (H12.11.12)

男が男にすりすりする。即ちからだを近づけてひじで突っつくなどしながら話をする。急に高いトーンで周りに聞こえるように相手の男との間柄をアッピールするような話し方や媚びるような話し方をする。翻って女にたいしては猫なで声で口先で転がすような軽い口調で親切めいたしたり顔のやさしげな態度を取る。そんな男が時々職場やなんかにいて気持ち悪い思いをしたことがある。なんとなく男なのに女のようなしぐさだと思ってしまう。女はそうするものだと言うのではない。私がそのしぐさに女のようなものを感じるということである。

そういう男に擦り寄られても相手の男は上手くあしらっておけば取り巻きになってこまごまと気遣いをするので重宝する。相手の気にいらぬ人間の悪口を言い騒いだりして歓心を買うようなこともよくする、ある程度は心地よい。だから適当につきあっているとそれがエスカレートしてくる。それに耐えきれず一旦その男を批判するようなことを言ったりしようものなら手のひらを返したように感情的になり昨日の友が今日の敵になる。

女がこういう男にどう反応しているのか知らない。私の感じでは遊んでいるときは自分と同じ女みたいで気楽かなと思う。でも一旦男女の付き合いを求められれば躊躇するのではないか。その行動や思考パターンが女のような男を見るとそう思ってしまう。

高校時代部活で友達になった男がいた。学校の行きかえり一緒になることが多くなる。親しくなってくるに従い歩きながら彼は腕に腕を絡めてくる、首に腕を巻きつけてくる、ねちゃっこく体を接してくる。はじめは振りほどいていたがついに女みたいにへばりつくのはやめろと怒鳴ってしまった。その翌日から彼は対立する人間になってしまった。

これを初体験として、以来男の女ったらしいしぐさを見ると違和感を感じる。気持ち悪いと思ってしまうのである。

以上男の話しだがこれと反対に女の振舞いに違和感を感じたことがある。むかしいた会社で大卒女子の技術員がはじめて採用された年のことである。所属部門の新入社員研修の最後を飾る発表会を聞く機会があった。男子数人に混じって一人女子がいる。見かけは小柄でやさしそうな顔をしている。その女子の発表になってびっくりしてしまった。話し方が男口調そのままなのである。

かつてある宗教団体の、会員あるいは会長が何かしたらしい。よく憶えていないがある雑誌にいわゆるフォーカスされたときだったと思う。タレントの小川知子が街頭あるいは出版社社屋前で抗議活動をしていたのをTVで見たことがある。顔を引きつらせ大きな口あけて怒鳴っているのを見たことがある。日頃のチャーミングな印象とうってかわって気持ち悪い女に見えた。その記憶がその女子の発表を聞いていてよみがえってしまった。

女はやはり女らしいのがよい。わざわざ男にならなくてもよい。女が自分達と同じようなら気持ちが悪い。その女子はプライベートではかわいい女に子になるんだろうと思う。多分男社会の雰囲気とその中に入ってきた気負いが女の子に男のような振舞いと女の子の使い分けをさせている。気持ち悪いがかわいそうと言うのが発表の良し悪しよりも先にたって男口調の耳触りの違和感に耐えていたことを憶えている。


 
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