屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
                     Home > 目次_top  >  記事

No.23  屋久島(18):運動会動員のこと (H12.10.22)

屋久町では10月半ばの日曜日大体全集落一斉に運動会を開催する。各集落それぞれ当該区の住民が集って行う住域の行事である。集落を職域とする企業、店などは大抵は金銭、賞品を寄付、提供して協力しているようである。

もう辞めた屋久島の会社での数年前の出来事である。勤めていたホテルには社宅がある。そこの入居者は社宅所在集落の住民だから当該集落の運動会に参加することになる。その集落では社宅の人数も多いからと社宅はそれで一チームとした。

しかし日曜でもホテルは営業しているから社宅の皆が出られるわけではない、というよりあまり出られない。家族も自分達だけではなかなかでない。その集落の区長はホテルの支配人を通して参加の要請をしたらしい。区長は社宅在住の区民の出席に配慮して欲しいとの意図でしたと思われる。

支配人は住域と職域の意識が薄かったか、あるいはホテル関係者が出ないと地元との関係が悪くなると思ったとみえる。自分の集落の運動会に出ず出勤してきている他集落の者も手あきの時間細切れに動員して運動会に参加させた。一部には休みなのに自分の集落の運動会に出ず動員に応じた者もいたという。

その運動会で社員の一人が怪我をした。休職をするような怪我だった。治療費はその集落のスポーツ傷害保険で賄われたらしいが、労災にはならない、休職で支配人には迷惑がられる、給料は減る、良いことはない。自分の集落でないからいやいや出て泣き面に蜂である。

自分の集落の人間でないものも集めてまで運動会をやるなら、自分の集落の住民で他集落に職場がある人はそちらの運動会に出さなければなるまい。集落の娘が他集落の恋人を連れて来たのと訳が違う。自分の集落だけ住域の人も職域の従業員も参加というのは筋が通らない話である。

集落を住域職域とする人を集めて集落の運動会をやるなら全集落たがいに開催日をづらさなければ成立しない。なにやらおかしい。私はそう思ってしまうのである。今は会社を辞めているから今年はどうなっているのかは知らない。


 
 Home   back